野球肩

インピンジメント症候群ともいわれており、野球などボールを投げるようなスポーツに多い疾患です。

肩の疲労を残したままでの練習過多などで、肩のコンディションが不完全での投球時に発症しやすいです。

腱板筋(インナーマッスル)と肩関節の周囲筋(アウターマッスル)の機能的バランスのつり合いが崩れることで

関節内で筋肉や靭帯などの軟部組織を挟み込んだり、肩甲骨(肩峰)と上腕骨がぶつかり合い炎症を引き起こします。

腱板の表面を覆っている滑液包に炎症が起こりやすく、これを放っておくと「挟まり」「ぶつかり」が繰り返される事で

最終的には、腱板断裂などといった重いケガにも繋がってしまう疾患です。

 

症状



  • 腕を挙げたり、捻ると痛い
  • 腕を横に挙げていくと60゜∼120゜の間で特に痛い
  • 慢性化すると「安静時痛」「関節可動域制限」も伴う

当院の考え



野球肩(インピンジメント症候群)は、奥にあるインナーマッスルと表層にあるアウターマッスルの機能的バランスが

崩れて起こる症状です。

このバランスが崩れてくると、投球時に使っている筋肉に偏りが出てしまい使われている筋肉は強く

あまり使われていない筋肉は弱くなっていきます。

これが続くと、機能的バランスのみならず安静時でも崩れてきます。

特に肩甲骨の位置関係が背骨から遠ざかる様にズレ易く、肩関節の動きに悪影響を与えます。

正常な肩関節の動きは、腕を挙げていく際に

  1. ローリング・・・上腕骨頭が受け皿の上を転がり、腕が持ち上がる
  2. スライディング・・・上腕骨頭が受け皿の上を滑り、関節内に収まる

この2つの動きが合わさる事で、どこにもぶつかることなく関節がスムーズに動かすことができます。

肩のコンディションが不完全な状態での投球は、発揮する力が強いアウターマッスルに頼りがちになり

インナーマッスルを使わなくなった関節は、スライディングの動きができなくなるため、収まりが悪くぶつかってしまします。

当院では、使わなくなった筋肉を使えるように刺激を入れつつ、筋肉の張力・筋力の均衡を調整していくことが重要と考えております。 

当院の治療



①鍼治療

野球肩は奥にあるインナーマッスルや関節周りにある軟部組織に炎症が起こりやすい疾患です。

炎症や痛みにより、それらの組織が固くなりやすいので、鍼で直接アプローチすることで血流を促し、疲労の除去や筋肉を緩めることを狙います。

また、刺した鍼にパルス(電気)を流し、うまく使えていない筋肉を電気刺激で動かすことで筋肉の再教育を促します。

 

②肩甲骨の位置関係を調整

肩甲骨の位置がズレていると、肩関節の「ローリング」「スライディング」が正しくできなくなり、組織を挟んだり、ぶつかったりしてしまします。

肩甲骨周りの筋肉の張力が不均衡だと、強い筋の方に引っ張られてしまうので、「ストレッチ」「ほぐし」などの手技で調整します。

 

③超音波

炎症が強く出やすい肩峰下滑液包は骨と筋腱板の間にあり、筋肉の滑りを良くするための滑液が入っています。

手でもほぐしにくく、炎症も強く鍼も打てないため超音波で鎮痛を狙います。

 

④全身の調整

投球動作は

【足→股関節→腰→体幹→肩→肘→手首→指先】

といったように、地面から指先までの一連の動きで成り立っています。

例)足首が固いと、体重移動が十分にできず力が伝わらないため、肩や腰に過度な力が入り足首の固さを補おうとします。

このように肩だけに原因があるとは限らないので、他の可動域制限がある部位などにもアプローチしながら、肩に負担のかからないような身体を目指します。

 

⑤トレーニング

機能的バランスのつり合いが崩れて起こる為、トレーニングでバランスを整え、筋肉を再教育することで正常な関節の動きを身体に覚えさせる目的で行います。

継続的に行う事で、予防・パフォーマンス向上にも役立ちます。

野球肩の予防



  • ストレッチなどのケアをして運動後の疲労を残さない
  • インナーマッスルを鍛える
  • 正しいフォームで投球する
  • 投球時に力みすぎない    等

↓↓↓ お問い合わせ・予約はこちら ↓↓↓

電話予約 LINEで予約