腱板とは、肩甲骨周りに付着する深部にある4つの筋肉(腱)の事です。
① 棘 上 筋
② 棘 下 筋
③ 肩甲下筋
④ 小 円 筋
一般的には、肩のインナーマッスルと言われていることが多く、腕を挙げたり、肩を捻る動きに使われますが、
肩関節を安定させる重要な役割もしています。
筋肉は伸び縮みする組織ですが、その筋肉が付着する骨に近い部分は腱といい、あまり伸び縮みしない固い組織となっています。
これは、筋肉の収縮の力を効率よく骨に伝えるためです。
この4つの筋肉を総称して回旋筋腱板といいますが、この腱板が損傷や切れてしまうことを腱板損傷(断裂)といいます。
60代以降くらいになると筋肉の衰えなども顕著に起こりやすく、いつの間にか腱板を痛めていたり
自然と切れてしまい、この症状になるケースが一番多い疾患です。
また、インナーマッスルとアウターマッスルの筋力の均衡がとれていない状態で、野球などのように
ボールを投げたりする運動を続ける(使いすぎ)と腱板に負荷が加わり損傷・断裂を起こしてしまいます。
肩に限らず全ての関節の動きには、安定性がとても重要です。この安定性を高めるのがインナーマッスルです。
不安定な状態で動かすことは、関節が正常なポジションからズレた状態で動かすことになるので、関節内や周りの筋肉、靭帯、軟骨などに炎症や損傷が起こる要因となります。
腱板損傷も肩関節の不安定性から、腱板に負担が蓄積されたり、関節内で挟まったりすることで損傷・断裂を引き起こしてしまいます。
安定性のある状態にすることは治療、予防でも重要となる部分であると考えております。
損傷した腱板の治療と合わせて、インナーマッスルの強化も併用し筋肉のバランスを整えていきます。
①超音波
損傷した腱板の傷口は硬結(固く)になりやすく、クセになりやすい為、超音波のミクロマッサージ効果で硬結を緩めていきます。
また、温熱効果もあるので血流の促進も期待でき、損傷部位の細胞活性化により治癒促進も狙っています。
※急性期の場合は、炎症症状が強いので温熱効果のある超音波は控えさせていただきます
②鍼治療
腱板は深部にある筋肉(腱)のため、鍼を打つことで直接アプローチすることが可能です。
損傷した腱板は、力が入りにくくなり萎縮傾向に向きやすいため、鍼で刺激を入れ血流を促すことで、機能回復効果も期待できます。
③肩甲骨の位置関係の調整
肩甲骨の位置も、肩関節の不安定性に影響してくる、一つの要因です。
肩甲骨周りの固くなっている筋肉をほぐし、ストレッチなどで均衡を取れた状態にします。
④トレーニング
インナーマッスルの筋力低下により、肩関節の安定性が低下するのでチューブトレーニングや軽い重さのダンベルを用いてインナーマッスルを強化し安定性を回復させることが狙いです。
安定性も出て痛みもなくなってきたら、肩の動きと肩甲骨の動きに連動性を持たせた機材を使ったトレーニングで、日常的にも競技的にも近づけた強度に変えていきます。
⑤テーピング
痛みがあるうちは、腱板を少しでも安静な状態にして炎症を引かせたいので、状態に合わせて動きの制限・動きのサポートをするようにテーピングを貼っていきます。
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