肘の外側にある出っ張っている骨(上腕骨外側上顆)が炎症を起こし痛みが出る疾患で「外側上顆炎」といいます。
テニスのバックハンド動作で前腕と肘に捻りが生じた際に発症することが多く「テニス肘」とも呼ばれている疾患です。
手首を反らせたり、手を開く際に使う筋肉や、肘を外に捻る際に使う筋肉が付着しております。
日常的には、手の甲を上に向けた状態で物を持ったり、ドアノブを回したり、タオルを絞るなどの
行為で痛みが起こる事があります。
肘の関節は上腕骨、橈骨、尺骨の3本の骨から形成されています。
動きとしては、屈曲・伸展(曲げ伸ばし)と、回内・回外(ひねり)の4つの動きがあります。
肘には上記の動きをする際に使う筋肉が付着しており、その中には手首を曲げたり、手を握ったりと指の動きにも
関係する筋肉があります。
日常的には物を持つ事が多かったり、パソコンや料理といったような手や指を使う事の繰り返しが多いと
肘への負担が蓄積され痛みとなります。
また、テニスのようにラケットを振る動作(バックハンド)の繰り返しが要因になるため「テニス肘」と言われております。
スポーツの場合、筋肉による痛みの他に靭帯損傷によるケガもございます。
この疾患は、前腕の伸筋群の使い過ぎによる筋肉の疲労の蓄積、拘縮で付着部の外側上顆が引っ張られ炎症をきたしていると考えます。
拘縮が強いと、手を握っただけでも痛みを伴う為、力が入れられなくなったりペットボトルのキャップを開けられなくなったりと、日常生活にも支障をきたす可能性がある疾患です。
伸筋群の柔軟性を出すことが、外側上顆へのストレスを軽減させる為に重要と考えております。
①アイシング
痛みが激しい状態の時は、炎症が強く出ているので冷やすことで、炎症の緩和を狙います。
また、感覚が鈍るため痛みも感じにくくなっている状態でのストレッチ(クライオストレッチ)は、
熱感のある筋肉に対して効率良く伸ばすことができます。
②手技による調整
肘の外側から手の甲にかけて、手技を行ない筋肉に柔軟性を持たせることを目的としています。
整体やストレッチでしっかり筋肉を緩めて、筋肉による外側上顆への直接的ストレスの軽減を狙っています。
テニスなどで痛めた方は、ボールを打った際の衝撃が前腕から肘にかけて伝わり、過度な力で打ち返すために
手首から肩まで、もしくは腰、下肢までの連動性を崩す場合があります。
動きを入れた手技も行ない、連動性の再認識を目指します。
③鍼治療
治療前の評価、検査でどの筋肉が最も要因となっているのか探り、ピンポイントでその筋肉に
鍼を刺します。また、状態によっては刺した鍼にパルス(電気)を流すこともございます。
鍼を刺すことで血流が促進され、筋肉の柔軟性を出しやすくします。
④トレーニング
ボールを打ち返した衝撃に耐えられるように、リストを鍛え打ち負けない筋力の獲得を目指します。
⑤テーピング
痛みがある程度落ち着くまでは、安静にすることが早期回復に繋がります。
なるべく筋肉に負担をかけないためにも、状態に合わせて動きに制限をかけるテーピングや、
筋肉の収縮をサポートするテーピングを巻きます。
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