肩の関節の周りにある、筋肉、靭帯、滑液包、関節包などの軟部組織に何らかの影響で炎症がおき、痛みと拘縮による運動制限が起こる症状です。進行すると髪が洗えない、服を着れない、腰でエプロンの紐を結べない、寝返りが打てない等、日常生活に大きな困難をもたらす場合もあります。
また、中高年に最も多く発症する症状の為、このような病名となっています。
この症状には、3つの時期がありそれぞれ症状も異なります。
【急性期】 (約2週間~1ヶ月)
炎症が強く、寝返りを打っただけで激痛が走る[夜間痛]や、
腰に手を回した時に激痛が走るなど、日常生活に支障をきたします。
痛みはあるが動かせる時期でもあります。
【慢性期】 (約6か月~1年)
拘縮期ともいう時期で、急性期の鋭い痛みが、鈍い痛みに変化してきます。
それに伴い、関節拘縮が強くなり関節可動域が狭くなっていく時期です。
【回復期】
人によって回復の具合は様々ですが、
痛み、関節拘縮が改善されてきて肩の可動域も少しずつ広くなっていく時期です。
治療をすることによって、これらの期間を短くすることができ、治癒の促進に期待できます。
肩には5つの関節があります
1. 肩甲上腕関節
2. 肩鎖関節
3. 胸鎖関節
4. 肩甲胸郭関節
5. 第二肩関節
これらの関節を総称したのが、いわゆる肩関節と言います。
この関節のうち1ヶ所でも異常があると、他の関節で補い合って肩を動かそうとするので、一部もしくは5つ全ての関節に負担がかかり影響が出てきてしまいます。
これらがあらゆる痛みや症状を肩に引き起こしてしまいます。
肩の使い過ぎや身体の歪み、運動不足などにより、肩周りの機能低下・バランスの崩れが生じることで、5つの関節のいずれかに異常が起こります。すると、負担の掛かるところが限定されてきてしまい、一部組織に炎症と痛みを引き起こします。
バランスを整えないと、負担の掛かる所が分散せずいつまでも痛みが続き、拘縮を起こして肩が動かせなくなってくるという負の連鎖となるので、バランスを整える事が重要と考えております。
① しっかり冷やす:〈急性期〉
この時期は炎症が強く、酷くなると可動域制限が生じて肩が動かなくなります。
まず、その炎症を一時的に緩和させることで、痛みを感じにくくし、動かせる範囲内で動かし可動域を大きくしていく狙いがあります。
② 鍼治療や超音波治療:〈急性期―慢性期―回復期〉
五十肩は「腱板」「靭帯」「関節包」「滑液包」といった骨や関節に隣接している、深部の組織に炎症が起こりやすい疾患です。
鍼や超音波は、直接深部の組織にアプローチすることが可能で、血流を良くし拘縮した組織を緩める効果が期待できます。
③ 全身の調整:〈急性期―慢性期―回復期〉
人間の身体は、運動連鎖によって細かい動きをすることができます。
肩に限らず、骨盤の歪みや、股関節、足関節などの動きが悪かったり、可動域が狭かったりすると、運動連鎖によりあらゆる所に影響を及ぼします。
肩に影響を及ぼしている可能性のある部分がないか探し、あればそこから調整していきます。
④ トレーニングで機能回復:〈回復期〉
痛みと関節拘縮で全く動かせなかった肩周りの筋肉は、萎縮を起こし伸縮性を失っています。
萎縮した筋肉は正常な動きができず、スムーズに関節を動かすことが困難になります。
トレーニングでその筋肉に刺激を入れることで、萎縮した筋肉が元に戻ってきて、伸縮性も取り戻し、再発予防にも効果があります。
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